TVアニメ『灰と幻想のグリムガル』スペシャルイベントオフィシャルレポート!原作者コメントも公開

「灰と激奏のグリムガル -Grimgar, Live and Act」が、2016年6月19日(日)に東京・かつしかシンフォニーヒルズで開催された。

イベントの出演者は、ハルヒロ役の細谷佳正、ランタ役の吉野裕行、マナト役の島﨑信長、モグゾー役の落合福嗣、ユメ役の小松未可子、シホル役の照井春佳、メリイ役の安済知佳らキャスト陣と、本作の主題歌・劇伴・挿入歌を担当したクリエイティブユニット・(K)NoW_NAME。

TVアニメでは通常、先に制作しておいた音楽をあとから本編の映像に合わせる。しかし今作では、実際の映像やシナリオ、絵コンテを元にして、各話ごとに物語の展開に合わせて音楽を作成するという形をとっていた。

このイベントでは、そうした本作ならではの音響面での特徴を、TVシリーズの物語の流れに即した朗読劇の合間に各話で使用された音楽を生演奏で挟むという形で、最大限に表現してみせていた。

まずは、ハルヒロがマナトの遺した手帳を手に取るシーンの朗読劇から、イベントはスタート。「Knew day」「Head Wind」の演奏を挟んで、パーティ結成直後のゴブリンとの戦闘、初めてゴブリンを手に掛けた瞬間の衝撃など、数々の印象的な場面が生の演技で披露される。

(K)NoW_NAME

その後も朗読劇と演奏が交互に展開され、イベントは進んでいく。前半のハイライトとなったのは、アニメ本編でも印象的に描かれたマナトの死に関するエピソードだ。ここでは、これまで原作でもアニメでも描かれなかったマナトの複雑な心の動きが詳細に描かれていた。これは、原作者である十文字 青が、このイベントのシナリオをすべて手掛けたからこそ可能になった表現だろう。

その後、メリイのパーティへの加入から、マナトの死に繋がったゴブリンたちとの再戦、そしてマナトの墓前への報告……という流れで、前半戦は終了。休憩を挟んで、イベントは後半へと移る。

久々の休日を経て、そしてメリイにとってかつてのパーティでの苦い記憶の残る場所である、サイリン鉱山へとチャレンジを始めるパーティ一同。アンデッドと化したかつての仲間たちとメリイの「再会」や、強敵デッドスポットの襲撃、仲間とはぐれたランタの孤軍奮闘、そしてデッドスポットとハルヒロの一対一の対決などなど、名シーンが次々と再現され、客席のボルテージは最高潮に。

そして朗読劇は、ふたたび現在のハルヒロの目線に戻り、未来への明るい希望を語ることで締めくくられた。

そこから「Harvest」の生演奏、エンドロールを経て、舞台のカーテンコール的にキャスト陣、(K)NoW_NAMEのメンバーが壇上に勢揃い。小松の司会にうながされ、各々に観客への感謝を述べる。このコーナーでは、シリアスな内容が中心だった本編とは裏腹に、客席から大きな笑いが起こる瞬間も多く見受けられた。細谷が「会場の皆さんと一緒に作ったステージでした」とコメントの中で述べていたとおり、今作を取り巻く作り手とファンの空気の温かさが強く感じられるイベントだった。

イベントの締めの言葉は、細谷の音頭による「また、明日!」のひとことだった。その言葉どおり、パーティの、作品の今後も気になるところだ。

なお、2016年9月28日(水)には、本イベントのBlu-rayも発売される。

◆原作者・十文字青先生より、コメントも到着!
こんなイベント、観るべきじゃなかった。観なければよかった。……あまりにすごすぎて。最高で。こんなイベント、きっと二度と体験できない。これが最初で最後なんて思いたくないし、信じられない。この気持ちを抱えて、これから先どうやって生きていけばいいんだろう……。
僕はイベント当日、ゲネプロと本番を連続で観させていただきました。その日は噛みしめるまでもなく余韻が続いて、本当に幸せな気分だったのですが、……翌日からしばらくの間は「激奏ロス」でだいぶ苦しみました。
それでもやっぱり、観てよかった。関わらせていただいて、よかった。ちょっと時間がなくて脚本を書けるかどうか、という局面も実はあったのですが、これは他の人に任せたくない、僕がやりたい、と思った。無理をしてでもその気持ちに従ってよかった。
スタッフ、キャスト、その他関係者、そして観客の皆さんがつくりあげた『灰と激奏のグリムガル』を、僕は決して忘れない。忘れることなんてできない。
いつか灰になるまで。

©2016 十文字青・オーバーラップ/灰と幻想のグリムガル製作委員会

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