- 2017-9-30
- レポート・インタビュー
- ひとりじめマイヒーロー
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2017年9月22日(金)都内某所にて、翌日のTVアニメ「ひとりじめマイヒーロー」最終話放送に先駆け、「おくつろぎマイヒーロー」と題した最終話先行上映会およびスタッフトークショーが行われました。約20名限定の完全招待制という何ともスペシャルな本イベントは、作中の大柴家での団欒を再現すべくワンルームを貸し切った会場で行われました。来場者は会場の扉を開けると原作者・ありいめめこ先生によるウェルカムボードにお出迎えされ、ソファーにご着席いただきイベント開始前から寛いだムードでスタート。
イベントが開始すると、ありい先生、担当編集・西村真紀子氏、シリーズ構成・なるせゆうせい氏、そしてプロデューサーの飯泉氏が玄関から登場し、お一人ずつ挨拶をいただいてから、さっそく完成したばかりの最終話先行上映へ。
原作とは違ったアニメオリジナル展開での最終話は、上映途中から会場では忍び泣く声が聞こえ、ありい先生が涙がこらえきれず目頭を押さえるシーンも。上映が終わると大きな拍手があふれ、会場は温かな雰囲気に包まれました。
上映終了後はトークコーナーへと移り、最終話を見た感想を伺うと、「シナリオも監修させていただきましたし、アフレコにも参加させていただきましたが、映像になるとやはりボロ泣きしてしまいました」(ありい先生)、「最終話を見るのは本日2回目でしたが、やはり泣いてしまいましたね。原作とは違うシナリオとなっていますが、皆様の反応も含めとても感動できる内容になったのではないかと思います」(西村氏)、「内容を知ってはいましたが、がんばれという一視聴者的な気持ちで見れました」(なるせ氏)、「最後二人が結ばれるところがリリカルに描けたかなと思いました(飯泉氏)とそれぞれお答えいただきました。
アニメの最終話については、原作に描かれた指輪のエピソードをラストに持ってくるように終着点を決めており、流星群をバックにすると、映像としてより印象深く、美しく仕上がるのではないかと思い出来上がったというエピソードのほか、本編中に映像のバックでニュースキャスターが読んでいる流星群の到来を知らせるニュースの原稿は、台本上には「今日は流星群ですね」の一文しかなかったため、最終話アフレコ当日に「尺が足りない!」と慌ててその場でニュース原稿を書き足して読んでいただいた等の裏話が語られました。
また、なぜアニメ化しようと思ったのかを尋ねられた飯泉氏は「普段はBL作品をあまり読まないのですが(笑)、たまたま手に取った作品の中で男性同士のキスシーンが描かれていて、それをキレイと感じ、BL作品をやってみたいと思っていたところ、ひとりじめマイヒーローという作品を紹介していただき、原作を読んでみたら面白くて、ぜひ映像化したいと思いました。TVアニメでは“リリカルな作品”というのをテーマに、より作品のキレイさや甘酸っぱさなどを表現することで、普段ジャンル的に見ていない方にも観ていただけるのではないかと思いました」とお話しいただきました。
さらに、原作と違う点として、アニメのタイトルは『ひとりじめマイヒーロー』ではあるけれども、もう一つのお話である『ひとりじめボーイフレンド』を切り離してしまうとストーリーとして繋がらないお話が多くなってしまうため、アニメでは12話分にまとめるために原作の時系列を動かしている部分もありましたが、ありい先生から「私にとって読者さんは生命線で、その読者さんが納得しないものは作りたくないと思っていたので、このシーンのこのセリフは入れて欲しいなど意見を反映させていただきました」と話されました。これを受けてシナリオで苦労した点について尋ねられたなるせ氏は、「特に苦労したのは1話で、最終的に7稿まで行きました。なかなか決定稿にならなったため、シナリオを提出する際に「決定稿にな~れ」とコメントを入れて送ってました(笑)ありい先生が毎回スカイプ等でシナリオ会議に参加してご意見をくださったことで、アニメとしてのストーリー構成をうまくまとめることが出来ました。」と話されました。
また、EDテーマの『TRUE LOVE』については、飯泉氏より「最終回のバックで流れることも考慮すると、アーティストよりはメインキャラクターを担当する4人に歌ってもらいたいと考えていたところ、ネットサーフィンで思案中にふと『TRUE LOVE』が思い浮かび、
ぜひこの曲にしたいと思い、事務所にご連絡させていただき、藤井さまからも快くOKを出していただけて、今回のEDテーマに決まりました」と語られ、ありい先生も「ゆっくり曲を聴きこむと本当に世界観と歌詞があっていて、最終話まで見ると曲がよりしみる」とのコメントに、会場からも深い同意の声が上がりました。
質問コーナーでは、原作の展開やキャラクターに関する質問、アフレコやイベント時の裏話など終了時間ギリギリまでたくさんの質問をいただき、出演者からの包み隠さない回答で会場はさらに盛り上がりを見せました。
アニメで人気のアイキャッチについての質問について、西村氏は「監督がとても“お家”を意識してくれる方で、アイキャッチもみんなで家を舞台に作っていくという形にしてくださいました」と語り、アニメ放送中に流れる一迅社のCMに関して、すべてのCMをまとめて見られるよう特典化してほしいとのご意見には、前向き調整中との回答をいただきました。
最後に、「皆様と一緒に最終話を見れて、反応を直に感じることができ本当に良かったです。アニメというメディアで原作とはまた違った『ひとりじめマイヒーロー』をお届けできたのではと思いますので、また1話からご覧いただき何度もお楽しみいただければ幸いです」(飯泉氏)、「普段舞台関連の仕事をしているのでお客様の反応を直に見ることはできますが、アニメではなかなかない機会だと思いますので、本日参加できてうれしいです。原作をリスペクトしつつもより良いものを作れるようやらせていただきましたので、この作品が広がっていくことが糧となりますので、今後も応援よろしくお願いします」(なるせ氏)、「7年ほど作品に携わっており、編集者としてこんな近距離で皆様とお会いできることもないので本当に素敵な時間をすごさせていただきありがとうございました。今後もどうぞよろしくお願いいたします」(西村氏)、「連載当時はアニメ化するとは思っていなかったので、今回のアニメ化や皆様と目が合う距離でお話しできたことも、読者の皆様や製作スタッフ皆様など、周りの皆様のおかげだと思っています。今後も頑張っていきたいと思いますので、これからもどうぞよろしくお願いいたします」(ありい先生)とそれぞれコメントをいただき、帰り際には来場者お一人ずつに、ありい先生からプレゼントのお土産を手渡しして最後までおもてなしを欠かさずに、「おくつろぎ」なイベントは終了となりました。
©ありいめめこ・一迅社/「ひとりじめマイヒーロー」製作委員会