HOLOSTARS 2nd ACT 「GREAT VOYAGE to UNIVERSE!!」オフィシャルレポート

2022年10月20日、Zepp DiverCity(TOKYO)にてHOLOSTARS 2nd ACT 「GREAT VOYAGE to UNIVERSE!!」が開催された。

2019年6月に始動したホロライブプロダクションの男性VTuberグループ「ホロスターズ」。2021年12月の全体ライブHOLOSTARS 1st ACT 「JOURNEY to FIND STARS!!」を⾏い、そこから1年と経たずして今回の2nd ACTを開催。その間、後輩ユニット「UPROAR!!」や初のENGLISHユニット「TEMPUS」のデビュー、1st Album「Follow Us」の発売もあり、ますます勢いを増している最中にある。

事前のインタビューでは、メンバーから「1st ACTは絶対超える」という発言も出ていた。その言葉に偽りなく、歌唱やダンスのパワーアップはもちろん、新しい演出にも挑戦し、さらにセットリストにおけるオリジナル曲の割合も大幅に増えた。貫禄すらまとい始めた彼らが、ホロスタ民を連れて出かけた宇宙旅行の様子をレポートしたい。

会場アナウンスはUPROAR!!とTEMPUSが担当し、先輩たちの晴れ舞台に花を添える。定刻が迫るとステージには宇宙船のコックピットを思わせる映像が流れ、今回のライブタイトル「GREAT VOYAGE to UNIVERSE!!」を思い出した。3期生の影山シエンと荒咬オウガの声を皮切りに、順番にホロスターズフラッグシップ出航のアナウンスを告げる。並行してスクリーンには、デビュー順と逆行する形でメンバーの名前が映し出され、カウントダウンとともに期待感は最高潮に。
出航を祝うオープニング曲は、「JOURNEY to FIND STARS」。前回の1stActで本編の最後に歌われたこの曲が、今回へとバトンをつなぎ、1曲目で披露された形だ。9人全員が黒を基調としたステージ衣装に身を包み、各色のマントをなびかせながらパフォーマンスする様子は壮観としか言いようがない。特筆すべきはステージの奥行き感で、左右だけでなく前後の距離感も使ったフォーメーションで、立体感・臨場感を演出。間奏がライブ仕様の長尺にアレンジされている間、一人ずつ思い思いのメッセージを語ると、全員で開演を高らかに宣言した。

M1 JOURNEY to FIND STARS

続いて、「We are the HOLOSTARS!!」。ホロスターズ始動から3年、満を持して発表された自己紹介曲であり、今回のライブで最も期待されていた曲の1つだ。順番に訪れるソロパートの間、他のメンバーが後ろでワチャワチャと自由に盛り上げる様子には普段の彼ららしさも垣間見える。サビのキャッチーな振付にほぼ強制的に気持ちを高められ、規則的に揺れるペンライトが高揚感を表していた。

M2 We are the HOLOSTARS!!

ここで、9人全員でのMC。みやびの言い間違えを律可がフォローし、うまいこと言おうとしたアステルにすかさず突っ込むイヅルなど、普段の配信のようにリラックスした空気感に会場も綻んでいく。小ボケとツッコミを挟みながら一人ずつ自己紹介を終えると、3期生が舵取り、2期生が燃料、1期生が指揮と、今回の航行の役割分担を決定した。

ソロパートの先陣を切ったのは、獣人のシエンによる「脱法ロック」。アップテンポなロックサウンドと本家MVを思わせるコミカルなダンス、ときに3人や5人に増える映像演出も相まってお祭り気分を盛り上げると、同期に後を託した。最初シルエットで登場した魔人・オウガは、紗幕が上がると、身長ほどもある大きな鎌を持って登場。「絶望ビリ―」で初披露のデスボイスを轟かせ、ド迫力のパフォーマンスはさながらゲームのラスボス戦のようだ。それぞれに激しいカバー曲で湧かせた2人は、3期生ユニット曲「ナイト ライト サイド」を歌唱。互いに背中を預けて歌う仕草や、「ずっと君を探してた」「さあ、おいで」というセリフをまじえながら、「魔フィア」によるステージを大成功させた。

M5 ナイト ライト サイド

なお3期生が歌っている間に、このフラッグシップは迷子になってしまっていた模様。2期生も2期生で燃料にラーメンを投入するなどやりたい放題ではあったが、出番が来たということで天真がスタンバイ。「お前たち全員輝く一等星だ!」と煽り、ライブでは初披露のオリジナル曲「シューティングスター」を放つ。歌配信でも定評のある爽やかな高音を響かせると、後半には自慢の天剣「夜空」を召喚し、騎士らしいポージングで締めくくった。やがて「POP-TALK」のイントロが始まれば、BAR「ROBEL」が開店。振付動画で練習してきていたのか、オレンジ一色のペンライトが歌に合わせて一様に揺れる。クラップの要求にも完璧に応える常連たちの様子を見て、ロベルは終始笑顔で歌い上げると、「ほな!」と手を振りながら退場した。

やがて日は完全に沈み、夕刻からしっとりとした夜へ。ステージ上の台座に腰かけたアステルは、夜景の前でダンスミュージック「A. scort」を初披露。複雑な振付、拍間の動きも完全に自分のものにして表現しきるスキルの高さは、ホロプロダクション全体で見ても随一の域だろう。「宇宙も飲み込むエンターテイナー」が単なるキャッチコピーではないことを、努力と実力で再認識させた。そのまま2期生ユニット曲「Last Sparkle」へ。歌唱パートが複雑に絡み合う部分も息ぴったりに歌い上げ、普段はそれぞれの個性を生かした活動をしているが、集まれば最強のユニットになる、そんなSunTempoの魅力を遺憾なく発揮した。

M9 Last Sparkle

3期生、2期生とくれば、次は1期生4人の時間だ。みやびがスタンバイしている間、イヅルは急遽バンドメンバーを探し始め、アルランディスはDJセットを持って来ていることを明かし、律可は会場を水浸しにする演出を思いつく。冗談まじりの会話に聞こえるが、実はこれらすべて後に実現してしまう。

律可の振りで幕が上がると、みやびが「開花宣言」を歌い始める。背景には花が咲き誇る庭園が広がり、花吹雪が舞い散るなか“始まりの花”が満開を迎える。間奏の独白には「ホロスターズの始祖」たる決意と覚悟がにじんでおり、彼にしか出せない輝きを放っていた。軽妙なサウンドとクラップに余韻から引き戻されると、チャキチャキのイタリア人・アルランディスの時間だ。背後にイヅル、律可、みやび、そしてDJセットを迎え、「W.I.M.」のライムをZepp中に響かせる。「まだまだいくぞバテんなよお前ら!」と煽れば、後ろの3人は声で、ファミリアランはペンライトで、「アランさんカッケー!」と応酬した。

暗転中、微かにドラムセットが見えたかと思えば、1期生たちがギター・ベースを持って再登場した。会場も配信のコメント欄もにわかには信じられない様子だが、おかまいなしに「ソラニン」が始まる。Vo&Gtイヅル、Gt律可、Baみやび、Drアルランディスで本当に急遽結成されたバンド。折に触れて「バンドをやりたい」と話していたイヅルによるサプライズ演出に、そして彼のけだるげなハスキーボイスが名曲と起こした化学反応に心をつかまれる。

続いてあたり一帯が水に包まれると、聞こえ始めたのは「水際エンドロール」のイントロだ。ステージに立っているのはスパナだけ……と思いきや遅れてホロロイド・律可が登場し、二人でパフォーマンススタート。MVを背後に水泡が浮かぶ幻想的な演出の中、自ら作詞曲を手掛けたオリジナル曲と安定した歌唱&ダンスで会場を魅了した。

1期生パート、最後はもちろんユニット曲「Compass」だ。見た目も声質も性格もバラバラな4人だが、背負ってきたものは共通している。そんな彼らの歌う<失敗しない挑戦なんてありえないだろ><一つ一つは小さくても重なり合えば大きくなる>の説得力はすさまじく、ホロスタ民の背中を優しく、強く押してくれる。

M14 Compass

続くMCでは、再び全員が集合。みやびによると、フラッグシップは迷子になっていたわけではなく、地図にない銀河を飛んでいたのだという。というわけで気を取り直して、ライブはラストスパートへ。明転したステージにはアルランディス、律可、ロベル、シエン、オウガが並び、「Pentas」を披露。ここまで1stActと異なる演目が多かったなか、同じメンバー・同じ楽曲を聴くことで歌唱・ダンスのレベルアップをひときわ強く実感する。妖艶な空気もつかの間、ジェットスモーク、スパークラー映像、レーザーが一挙に放たれる中荒々しく駆け込んできたみやび、イヅル、アステル、天真。一気に空気感を塗り替え、「Magic Word Orchestra」で嵐の中を進む旅へ連れて行く。

M15 Pentas

M16 Magic Word Orchestra

本編最後は、1stアルバムの表題曲「Find It」を全員で。シエン、アルランディスのラップ組が盛り上げれば、アステル、ロベル、律可、イヅルがスポットライトを浴びながらソロパートを響かせ、ラスサビではすべての力を出し切るように全員が声と拳を振り上げる。そんな彼らの最後まで全力のパフォーマンスに、本来コールが入るであろう箇所では、ホロスタ民たちの聞こえない声が聞こえるような気がした。

M17 Find It

9人が退場した後も興奮が冷める様子は全くなく、拍手はアンコールを要求する手拍子へと変わっていく。

聴き慣れたギターフレーズで「Re:Hello world」が始まり、ちょうど今日デビュー3周年を迎えた律可が登場。2番になると他のメンバーも登場し、徐々に声が重なり全員の歌唱へ。この曲は律可にとって、そしてホロスターズにとって初めてのオリジナル曲だったのだ。スモーキーピンク一色だったペンライトに少しずつ他の色もまざり、広がっていく様子は、ホロスターズの音楽の歴史を辿るようでもあった。

その後のMCでは、律可のデビュー3周年を祝った上で、改めて一人ずつ今日の感想を述べていった。いずれも共通していたのは、ホロスタ民への感謝の気持ちと、これからの旅路に向けた頼もしく前向きな思いだった。

みやびの声掛けで定位置につくと、アンコール最後の曲「Just Follow Stars」へ。ホロスターズ初の全体曲であり、聴いていると1st ACTの記憶が思い起こされる。間奏中は思い思いにハイタッチし、<遊ぼうぜ>部分はシエンに加えて両脇のアルランディス・オウガも特大のジャンプ。<Follow Us! (HOLOSTARS!)>の掛け合いで会場と心をひとつにすると、ラスサビの最後には誰が煽るでもなくメンバー・ホロスタ民全員がゆっくりと腕を上げる。最後まで全力のコール&レスポンスならぬコール&ペンライトを続け、ライブは大団円を迎えた。

EN2 Just Follow Stars

激しいロックサウンドやデスボイスが響く無法地帯。そこへ流星群が降り注ぐと、にぎやかなバーから夜の街へといざなわれる。瞬きの間に満開の花が咲き誇り、かと思えばミラーボールが明滅するクラブが登場。骨太のバンドサウンドが響いた後には、水で満たされて息ができなくなってしまう。

9人の生み出す世界観すべてをまるっと乗せた「ホロスターズ」という宇宙船は、やがて男性VTuber界のフラッグシップになるべく、これからも新しい銀河を進み続ける。前例のない航路を行く彼らの旅はいつだって手探りで、笑顔に満ちている。

【関連リンク】
グッズ購入(日本) : https://virtual.spwn.jp/events/22102001-jpholostars2ndact/goods
グッズ購入(海外) : https://shop.geekjack.net/collections/holostars-2nd-act

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