アニメ「野良スコ」第7回したまちコメディ映画祭in台東イベントレポート

したコメ一挙上映会フォト1


現在テレビ朝日系「musicるTV」内にて好評放送中で、紙兎ロぺなどの人気作品で知られる映像クリエイター内山勇士監督によるショートアニメ「野良スコ」が、9月13日(土)に文化芸術の街「上野」と喜劇発祥の地「浅草」を舞台に繰り広げられるコメディ映画の祭典「したまちコメディ映画祭in台東」(略称したコメ)にて一挙上映されました。
 
したコメで上映されたプログラムは【「野良スコ」inしたコメ~コタロー主催!?一挙上映会~】と題し、「musicるTV」内で放映された作品の一挙上映に加え、「したコメ」とのコラボ企画として、いとうせいこうしたコメ総合プロデューサーと、LiLiCoがゲスト声優として出演した「誕生日」編を特別上映。また、同プログラム内では大場しょう太したコメチーフディレクターをMCに迎え、内山監督、いとうせいこう、LiLiCoによるトークショーが行われ「誕生日」編のアフレコ時の様子や「野良スコ」制作秘話が語られました。

40分に渡る一挙上映の後、大きな拍手の中満席の会場に登場した出演者。まずは『野良スコ』がしたコメに参加することになった経緯についてトークを展開。LiLicoさんが紹介したいクリエイターがいると、いとうさん大場さんに内山監督を紹介したのが切っ掛けで、LiLicoさんのおばあちゃんと内山監督のおばあちゃんが偶然にも同じ立石に住んでいたことで意気投合し、さらにいとうさんも葛飾区出身ということで葛飾界隈の話題で盛り上がりました。

作品について新しい挑戦と話す内山監督は「紙兎ロペは2人の掛け合いで進む作品でしたが、野良スコは沢山のキャラクターの中にコタローが違和感なくなぜかいる。そういった作品はどうやったら作れるのか?」を考えたとのこと。コタローの周りのキャラクターについては「立石で出会った人たちは普通に話しかけてくる。そういった下町独特の雰囲気の人をモデルにしました。」と紹介。さらにそのキャラクターの台詞について、呼吸も笑うタイミングも文字に起こしていて、楽譜に近い感じになっているのだとか。声の収録についても「吸音材を買ってきて夜な夜な自宅の押し入れで録っている」と驚きの告白。宅録ということで「救急車が通るとNGだし、エアコンも音が入ってしまうのでつけられない。」とその苦労も語られました。

そして音を録り、絵コンテを描くまでを内山監督が手がけ、その後アニメーターへ引き継ぐといった制作過程を紹介。その中で絵コンテだけでは伝わらない動きに関しては、内山監督自身が実演するビデオコンテをアニメーターに渡していると話し、それを聞いたLiLicoさんといとうさんは「それ観たい!」と大興奮。来年はそのビデオコンテも一緒に上映しようと提案すると会場は大きな拍手に包まれました。

そして特別上映された『野良スコ したコメオリジナルバージョン(誕生日編)』に登場した無精髭の酔っぱらいおじさんゴローとヒデキを演じたLiLicoさんは「ハッピーバースデーを歌うんだけど、音をはずしてわざと下手に歌うのがとても難しかった。しかも二人分(笑)。」と収録の難しさを話しました。いとうさんも「内山監督がどんなニュアンスを求めているのかを探るのが怖かった。しかも内山くん収録のとき隣にいるんだよね。これは押入れシステムの延長で、近くで聞いて空気感で良いかどうかを選んでいるんだなと。僕も空気感をどうやって出すか以外は考えなくなりますね。難しいけど楽しい世界でしたね。」と収録の感想を話しました。

今後ついて内山監督は「僕自身コタローの性格ってどんな子なのかを探りながらやっていて、それを考えながら自分で声を当てていくとキャラクターの深みが増していくのかなと思うので、このペースでコタローがどんな性格なのかを探っていきたいです。」と続編が期待できるコメントを会場に送りました。
したコメ一挙上映会フォト2
最後はコタローを交えフォト・セッションを行い一挙上映会は幕となりました。

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